今月の支倉サロンは、声楽家の先生による歌のレッスンです。
歌は、『荒城の月』、『糸』(中島みゆき 作詞/作曲)そして『故郷』。晩夏から初秋への移ろいのなかで、これらの歌はどのように響いてゆくのでしょうか。ご指導は水野純子先生、伴奏は畑中鞠子先生です。
たった30分ほどしかないレッスン時間のなかで、先生は要所要所を確実に押さえてくださいました。
すごいなあと思ったのは
・・・ 逢うべき糸に出会えることを ひとは仕合せとよびます (♬)中島みゆき『糸』より
この歌い終わりのところに、先生のご指導でふわ~っとした感覚が会場中に広がりはじめたことです。その感覚は余韻となり私たちの中に残りました。ずっとオペラの世界で活躍されてきた方。歌そのものを学ぶとはこういうことかと知らされました。この感覚こそが、先生からの贈り物なのだと、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。水野先生、そしていつもきれいなピアノを聴かせてくださる畑中先生、本当に有難うございました。
歌のレッスンのあとは、ご講師のお二人が音楽を披露してくださいました。チャイコフスキーのワルツやプッチーニのアリア。お茶を飲みながらの、暫し贅沢なひとときです。
本日のレッスンを終えてみて、みなさまには『荒城の月』よりも『糸』のほうに関心があったように見受けられました。
「仕合わせ」とは良いめぐりあわせも残念なめぐりあわせも含んで います。私たちの出会いのきっかけは東日本大震災という未曽有
の出来事でした。いまはいろんなことを一緒に体験し、いろんなおしゃべりをして共に過ごしています。
・・・縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを暖めうるかもしれない・・・
・・・織りなす布は いつか誰かの傷をかばうかもしれない・・・
(♬)中島みゆき『糸』より
いろんなところで開催されているふれあいの集いがそうであるように、この支倉サロンもまた、ここに来れば何だか元気になれる、心が軽くなれたような気がする…そのような気持ちになっていただけるはたらきであれば幸いです。
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